目指せ すすきの!風俗ライダー! 〜旅人図鑑 1人目〜


今から15年ほど前
美瑛のライダーハウスで一緒だったライダー。

大阪人で僕と同い年
面白いヤツで意気投合。

一緒に走りに行こうと宿を出て
丘をめぐっている時に、ふと気がついた。

グローブを片方しかしてない。

「グローブどっかで落とした?」

僕の問いに

「ちゃうねん、これは大事な意味があんねん」

との返答。
何かのゲン担ぎかな?
その時はそれ以上聞かなかった。

翌朝、お互いに出発の準備をしていると
なにやら真剣に悩んでいるいる様子。

「どうしたの?」

『ん、いやぁ、今日は小樽から帰りのフェリーに乗るんやけどな』
『その前にどうしても札幌に寄りたいねん』

「札幌?なんで?」

『言わすなや〜、札幌言うたら すすきの しかないやろ!』

「旅の締めに風俗!?」

『フェリーの時間に間に合うかどうか、高速使うかどうか悩んどってん』

「貧乏ライダーは高速使ったら負けだよ」

『そやねん、意地でも高速乗りたくないねんけど・・・』
『この日の為にゴルフ焼けまでしとったからなぁ、手堅く行くわ』

「ゴルフ焼け??」

『ライダーは貧乏で不潔なヤツが多いから風俗嬢に嫌われてんねん』
『でもゴルファーなら印象いいし、サービスも良くなるんやで』

ヤツの言っている意味がわからず
きょとんとしていると
僕の目の前で両手の甲を揃えて見せた。


片方の手は黒く焼けていて
もう片方は手首から白いまま。

わはは!・・・なるほど
そういう事か。

ゴルフは片手しかグローブをしないから
日焼けするのも片手だけ。

風俗嬢の為に北海道ツーリング中、ずっと片手だけ
グローブを着けずに走っていたとは。
なんてバカバカしい。最高。

風俗ライダーは颯爽とマシンに跨ると
「阪神百貨店の1階で働いてるから近くに来たら顔出してな!」
と言い残して去って行った。

それから5年くらい経った頃
大阪に行く用事があって
阪神百貨店に立ち寄ったけれど
ヤツの姿は無かった。

休みだったのか
職場が変わったのかは分からず。

SNSなんて気の利いたものが無かった時代の話。

もう一度会ってみたい旅人の1人。

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